TPP交渉参加を巡り、与野党内で意見が分かれAPEC前日まで調整が続いた。民主党経済連携PT は、国民に対し十分な情報提供を行う必要性とAPEC時の表明に慎重な立場の発言が多くあったことを考慮し、「慎重に判断をすること」と結論を出した。結果、野田首相は政治決断をし、11月11日の記者会見で「私としては、明日から参加するホノルルAPEC首脳会合において、TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入ることといたしました」と環太平洋連携協定(TPP: Trans Pacific Partnership)交渉参加を表明した。
翌日の日米首脳会談で日本を再生し、豊かで安定したアジア太平洋の未来を切り開くために日本がTPPへの参加に向けて関係国との協議に入るとともに、今後の交渉参加に向けて米国の支援を要請した。これに対してオバマ大統領は、日本の決定を歓迎し、協議の中で協力する旨返答した。ホノルルAPECにおいて日本の他、カナダ、メキシコもTPP参加を表明し、シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイ、米国、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアが協議に入る。さらにフィリピン、台湾等も関心を表明しており、TPP協定の締結を急ぎつつ、締結後も含めた参加国の拡大を企図している。今後はTPP参加国の各国内での承認手続きを行い、本格的な議論へと進む。
各国EPA、FTA、NAFTAなど協定を結び、締約国間での経済取引の円滑化、連携を強化している。さらにこのような自由貿易圏を太平洋周辺の広い地域で作るのが、今回のTPP構想である。議論の中で必ず焦点になるのが、各国との協定ではなく、なぜTPPなのかという問題。そして農業の問題である。反対派が主張するのは農業への補償に対することばかりで今後の農業政策への代替案は示されていない。現状維持では衰退する一方である。農家の淘汰を進め、競争力を働かせ、補助金体質から稼げる農業いかに構築するのかまずは農家自身が考えなければいけない。「産業界」VS「農業界」ではなく、少子高齢化社会の中で10年後、20年後の日本経済の土台をしっかり固め、農業、産業、医療、サービス、金融、人材など、世界で日本の存在感をどう示していくのか、もっと大きな視点でとらえることが重要である。
12月のINES研究朝食会は、農業貿易・政策、経済発展などこのテーマを研究課題としております東京大学大学院農学生命科学研究科の本間正義教授と国際経済学、国際貿易論を専門としております一橋大学大学院経済学研究科の石川城太教授をお招きし、なぜTPPなのか、そして農業をどうするのかを含め、TPPに参加した場合、日本経済にどのような影響があるのかご講演いただきます。
多数の方々のご出席をお待ちしております。どうぞ積極的にご発言下さい。ご本人がご出席出来ない場合は代理の方でも,またお知り合いの方々をお誘いいただければ幸いです。
(株)新時代戦略研究所(INES)代表取締役 朝井 淳太
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